事業者には有害な業務を行う屋内作業場(粉じん・騒音・有機溶剤等の作業場)について、 作業環境測定を行う義務があります。従業員の健康と安全を守り、快適な職場環境を確保 することは、作業効率の向上にもつながります。環境防災は、作業環境測定法に沿った方 法でデザイン、サンプリングを実施し、作業場の環境を精度良く分析、作業環境を診断し、 改善計画のアドバイスを行っています。 (環境防災は、作業環境測定機関 第36-9号 として登録しています。)
作業環境中に有害な因子が存在する場合には、その有害な因子を、除去するか、ある一定の限度まで低減させるか、又はこれらの対策だけでは有害な因子への労働者のばく露を十分な程度まで低減させることができない場合には、保護具や保護衣等の個人的なばく露防止のための手段を利用すること等によって、その有害な因子による労働者の健康障害を未然に防止することが必要です。
有害な因子とは>>>
・有機溶剤 ・鉛及びその化合物 ・特定化学物質等の有害な化学物質
・じん肺の原因となる粉じん等の有害な物質 ・電離放射線 ・有害光線
・騒音、振動 ・高温 ・低音 ・高湿度等
・感作性のある化学物質(ある抗原物質に対して過敏な状態にすること)
※化学物質等に過敏な反応を起こすことのある労働者についての注意が必要です。
作業環境測定項目
粉じん | 石綿 | 有機溶剤 | 特定化学物質 | |
粉じん作業 | ◯ | ◯ | − | − |
印刷作業 | − | − | ◯ | ◯ |
塗装作業 | − | − | ◯ | ◯ |
メッキ作業 | − | − | ◯ | ◯ |
その他、振動・騒音を発する屋内作業場の測定、室内空気環境等の測定(ホルムアルデヒド、 トルエン、キシレン等)も行っております。
作業環境測定士または作業環境測定機関が測定を必要とする項目
作業場の種類(労働安全衛生法施行令第21条) | 関連規則 | 測定の種類 | 測定回数 |
土石、岩石、鉱物、金属または炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場 | 粉じん則26条 | 空気中の粉じん濃度及び粉じん中の遊離けい酸含有率 | 1回/6ヵ月 |
特定化学物質等(第1類物質または第2類物質)を製造、または取り扱う屋内作業場など | 特化則36条 | 空気中の鉛の濃度 | 1回/1年 |
第1種有機溶剤または第2種有機溶剤を製造、または取り扱う業務を行う屋内作業場 | 有機則28条 | 当該有機溶剤の濃度 | 1回/6ヵ月 |
放射性物質を取り扱う作業室 | 電離則55条 | 空気中の放射性物質の濃度 | 1回/1年 |
作業環境測定の流れ
作業環境測定等に関連する法令
作業環境測定に関する法律としては、昭和47年(1972年)6月に制定された「労働安全衛生法」と昭和50年(1975年)5月に制定された「作業環境測定法」があります。
- 労働安全衛生法
労働安全衛生法は、労働災害防止のための危害防止基準の確立、事業場における安全衛生責任体制の明確化安全衛生に関する事業者の自主的活動の促進の措置を講ずるなど、労働災害の防止に関する総合的、計画的な対策を推進することにより、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な作業環境の形成を促進することを目的として、制定されたものです - 作業環境測定法
作業環境測定法は、労働安全衛生法と相まって、作業環境の測定に関し作業環境測定士の資格および 作業環境測定機関等について必要な事項を定めることにより、適正な作業環境を確保し、もって職場 における労働者の健康を保持することを目的として、制定されたものです
◆労働安全衛生法(抄)昭和47年法律第57号 抜粋
(作業環境測定)
第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の事業場で、政令で定めるものについて、労働省令 で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。
- 前項の規定による作業環境測定は、労働大臣の定める作業環境測定基準に従って行わなければならない。
- 労働大臣は、第1項の規定による作業環境測定の適切かつ有効な実施を図るため必要な作業環境測定指針を公表するものとする。
- 労働大臣は、前項の作業環境測定指針を公表した場合において必要があると認められるときは、事業者若しくは作業環境測定機関又はこれらの団体に対し、当該作業環境測定指針に関し必要な指導等を行うことができる。
- 都道府県労働基準局長は、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認められるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、労働省令で定めるところにより、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる。